マンション住民は必見「修繕積立金大幅値上げ問題、国交省がついに動き出す!」
NHKなどでも報道されていましたが、全国的にマンションの修繕積立金が不足するケースが相次いでいることを受け、国土交通省がまとめた修繕積立金の徴収額の目安に関する素案が明らかになりました。当問題の論点や国交省がとりまとめた素案の内容などを自分なりにわかりやすく解説してみました。
特定非営利活動法人 マンション管理支援協議会のサイトを参考に具体的な事例を挙げますと下記のような状況に陥っているマンションが激増しているということです。

問題点:修繕積立金不足と大幅引き上げ
- 修繕積立金不足:
- データは古いですが、2018年度の調査では長期修繕計画に対して必要な積立金が「不足している」というマンションの割合は34.8%で、2013年度から2倍以上も増えている。
- 原因は販売業者が物件をセールスしやすいように当初の徴収額を低く設定し、資材価格の高騰による修繕費増加が挙げられいる。
- 大幅な修繕積立金の引き上げ:
- 国土交通省の調査では、新築時の徴収額と比べて最終的な徴収額が平均で3.6倍も跳ね上がっている。
- 中には10倍を超えるケースもあり、住民が支払えなくなり滞納するケースも多発している。
国交省の対応:徴収額の「下限」と「上限」の設定
- 素案の内容:
- 修繕計画に基づいて必要となる積立金の総額を、徴収期間で割って1か月ごとの「基準額」を算出。
- 新築時の徴収額を少なくとも「基準額の0.6倍」とするよう求め、築年数が経過するに従って徴収額を引き上げる場合も基準額の1.1倍以内とする方針です。
- これにより、修繕費用の増大に柔軟に対応できる体制が整うという見通し。ブルーハーバータワーみなとみらいのケースに置き換えると、下記のようになります。
具体的事例:ブルーハーバータワーみなとみらいのケースに置き換えると
《例:355世帯、大規模修繕含め修繕積立金が総額20億円必要であるというケースにおける修繕積立金の計算》
仮に355世帯がそれぞれ同じ広さの部屋に住み、マンションで向こう30年間の修繕計画を組み、大規模修繕を含め総額20億円が必要と見積もられたケースを想定します。
30年=360か月で割ると1か月あたりの基準額は約55.56万円。
となると、当初設定額を下限いっぱいに設定すると約33.33万円です。
今回は「全世帯同一面積」と仮置きしているので各世帯から均等に徴収します。すると、1世帯あたりの「当初徴収額」は約8,451円となります。そして、のちのち引き上げる場合の「上限徴収額」は約15,556円となります。
8,451円から15,556円の範囲内に納める形で1戸あたりの総額=約2,819万円を不足なく積み立てるには、かなり早い段階から計画的に段階をおって徴収額を引き上げる必要がある、ということです。
個人的には当国交省素案は現実的な路線で話を進めているなと好印象を抱いています。どこまでの強制力をもって実行させていくのかが今後の課題なのかもしれません。
国交省:今後の見通し
- 2024年3月中にも再度検討会を開き、この案を正式に決定する見込み。
ブルーハーバータワーみなとみらい防災担当委員兼サイト管理者です。特集してほしい記事などご要望がありましたらメールにてお願いします。